昭和の風林史(昭和五四年八月一四日掲載分)

押し目完了す 爆発力は充満せり

取組み増大は、マグマ噴出の前兆、活火山大爆発ということになろう。天候も悪くなりそうだ。

「百姓の綺麗な庭や盆休み 鳴芒子」

産地のお天気を睨んでの小豆相場である。

お天気が悪ければ高い。お天気がよければ安い。

安いといっても、安い時の出来高は急減する。

下値に用がないという風情である。

誰もが千五百円ほどの押し目が入るのではないかと思っている。それは、用心でもあるが、期待でもある。

そのような押し目が入るだろうか。入らないと思うが、入ったら入った時の事として、その時の心構えをしておけばよい。

小豆の取組みが漸増している。これは、大きい相場になる前兆である。

相場が強張り、上昇トレンドに乗って、取組みが増大しているうちは、弱気禁物である。

小豆相場に経験を持つ注意深い投機家は、東西両市場の取組みが増大を続けている事は、(1)大衆の輸大離れ。(2)小豆市場に政治的色彩を持つ投機資金の流入。(3)他商品を見切って、短期的勝負を求めた資金の移動と受け取っている。

そして、こういうふうに取組みがふくらんだ相場は、どこかで、ちょっとしたキッカケからマグマが噴出するように、大爆発するであろうと見守っている。

ケイ線では、当限一代足で三分の二戻しを入れて押しているところだ。

八月限(大阪)七千五百九十円幅を新値足26本、実数83本で下げた。

その相場が半値戻しを達成して少し押したあと、一気に三分の二地点を取った。

五千四百四十円高に対して仮りに三分の一押しなら二千七百円のところであるが、どうだろう。三分の一も押すだろうか。

いま、やっと千円棒が入った当限を見ていると15日過ぎからの切り返しは多分強烈なものになると思う。

過去三年続けて小豆は三万円相場を展開している。今年は、まだ三万円を付けていない。

付けたら売ろうという人は多い。過去の三万円相場の崩れが凄かったのを見ているだけに、三万円が付いた相場は、売りで勝負しようと手ぐすね引いているわけだ。

気の早いむきは、八千円台、九千円台から売り上がろうという人もある。

北海道の作柄が悪いというのに、買い気より、売り気のほうが強いという今回の、この相場は、実に不思議な人気だと思う。それだけに、上値が大きい。

●編集部註
「アンドロメダ」という言葉の多用がパタリと止んだ。当時公開されていた銀河鉄道999も結局終着駅につかなかった。

そういえば、主題歌を歌ったゴダイゴはこの時テレビドラマ『西遊記』の主題歌も歌っていた。

このドラマも結局天竺大雷音寺にはつかなかった。