祇園精舎の“金”の声

もう、明日から十二月、はやいものですね。あっという間に今年も終わりです。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。

おごれる人も久しからず、ただ春の世の夢のごとし。

たけき者も遂には滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ―。

無常とは、読んで字の如く〝常には無い〟という事。この世の全てのものは変わり続ける。

中国では『邯鄲の夢』という寓話があり、ペルシャには『ルバイヤート』があり、ギリシャではヘラクレイトスが「万物は流転する」と喝破した。

いつまでも、あると思うな親と金。

古今東西、高尚な言葉から卑近な例まで、無常は人それぞれの心に生きている。

罫線も人それぞれ、見方によって強弱が異なるものだ。

今の金相場、売り屋が見れば戻り天井を売って下げを加速させるように見える。買い屋が見れば押し目をつけてこれから上げていく―と。

どちらにせよ、運が味方した方が勝つ。

〝勝つも負けるも兵家の常〟という。

兵家といえば、NHK大河ドラマ。こちらは平家。視聴率が悪いというが相場を張る人には評判がよろしい。

天上からの眺めは暗闇であった。

平家が衰退し、源氏が盛り返すところ。ドラマも佳境に入った。

相場世界は権力や名声は一切通じない。

驕り高ぶればあっという間に叩き落される。

金は戻り天井を打って、年末に向け下げを加速させよう。