線型買い示す だが大勢はまた別
◇…小豆の線型は買いになっている。短期的には買いでも面白いが、大勢となればまた別だ。
「中腰の唐黍焼に昔あり 桂郎」
◇…小豆相場に対しての人気は弱い。しかし相場は強くなっている。線型も買いを示している。
この強いのは、静岡筋などの筋ものが先限を強気しているからだと受け取っている。
◇…目下のところ短期勝負なら相場の意外性を期待出来る市場環境とも言える。
◇…それは(1)秋の需要期で値の安い(北海道産に比較して)輸入小豆の売れ行きがよい事。
(2)輸入物の端境期で、商社の売り物も出ない。
(3)相場内部要因としては人気が弱くなり、先限など安値を売り込んだ(自社玉は買いになった)。
(4)ケイ線が買いを示し、また東西の取組みが漸増傾向である。
(5)鳴りをひそめていた静岡筋が強気姿勢になった。
◇…だいたいそのようなところである。
◇…相場地合や人気動向からいえば、次のような現象に気くばりしなければなるまい。
(1)戻り売り人気が強いのに相場地合が締っていく。
(2)取組みが漸増する。
(3)産地の刈り入れ進行(早生種は、すでに収穫が始まっている。例年より10日ほど早い。これは早生種のウエイトが六割を占める帯広地区だけに、早霜がくるのが早いか、収穫が早いかの競争になる)。
(4)中国小豆の北京商談の推移、台湾小豆の動向。
(5)そしてホクレン等のヘッジと、取引員自社玉のポジション動向。
◇…思うのであるが、この先、まだ強張るとしても短期決戦であろう。
仕手筋が積極的に煽りをかければ、二万六千円の相場は付くかもしれない。
◇…それからあとは、産地の売りや、輸入商社の先回りしたヘッジが激しくなるだろう。
◇…北海道の小豆生産者にとっても、出来秋の高値は非常に喜ばしい事で、一応は売り繋ぎをかけよう。
◇…大局的な需給事情は本年の収穫が一応九十五万俵として、言われるように繰越在庫が五十万俵ないし五十五万俵なら、あとのファクターは輸入事情という事になる。
◇…そのような事から、上値を二万五千五百円あたりと見ていて、仮りに踏み上げや、仕手策動で二万六千円の相場になっても、大勢としては売り方針が多分御正解だと思う。
◇…要するに目先強ければ、売り場を見つけるつもりでよいと思う。
●編集部註
大局的な方向性を把握した上で、ちょっとした短期反転場面があると思い、軽い感じで逆ポジションを取るもこれが大曲がりし、切るに切れずに因果玉を生み出してしまう。