10月29日付 メリマンコラム 《回顧と展望》その1

“間近に迫る米国の財政危機の期限近付くにつれ、ウォール街では誰も予想し得ないような未曾有の衝撃が市場を襲うのではないかという懸念が出ている―その一方で投資家の皆様方は相も変わらず、この期に及んでも危機の存在に気付いていない”
—Jeff Cox (CNBC 記者)Why the Fiscal Cliff May Be Bigger Threat Than You Think (何故、財政の断崖はあなたが思っている以上に脅威なのかもしれないのか)より (2012.10.19)

いつぞや誰かにこう言われた『これまでの張ってきたなかで一番キツい相場てぇと、戦争相場と大統領選相場だったねぇ 』。
 先週を通して(米国)株式市場で相場を張っていたとすれば、この嘆きにも一端の真理があると思われるかもしれない。
 10月19日、ダウは205ポイント下落。翌週月曜(22日)の序盤はそこからいったん反発を指向すると見せかけて翌火曜(23日)になると再び245ポイント下落した。それ以来連日、反騰しそうな様子を見せながら引け手前になるとやや急激に下落するという毎日だった。まるで相場は上がりたがっているにもかかわらず、取引が終わるまでにそのエネルギーが切れてしまったように見える。

 しかし現在ダウは、2011年10月4日につけた15.5カ月サイクルボトムから、6月4につけたそのハーフサイクル(8年サイクル)ボトムまでの、長期上昇プライマリー・トレンドラインに危険なほど接近している。そのトレンドラインは現在、ちょうど13,000の少し上にある。もしこのようなトレンドラインをブレークすれば、それは多くの場合、上位レベルのより長期のサイクルがトップアウトしたことを意味する。このケースなら4年サイクルだ。それを確認するには他にも基準を満たすことが必要であり、これについてはMMAサイクルズレポート等で詳述するつもりだ。
 ただ、当コラムをお読みの方々にご理解頂きたいのは、目下米国株式市場が、非常に重大な価格ポイントに近付いている、ということだ。これをなおさら危機的にしているのは、天王星を含んだ強力なアスペクトが今週発効し、さらに11月終盤に再びやってくるという事実だ。