利食い戻しは好売り場に
自由化論の次は次期ヒアリングをめぐる思惑。これが実に難解、目先の戻りは売り直されよう。
週末は吉次さんのお葬式に福岡まで行った。月曜日は、京丹社長の板崎さんの御母堂のお葬式だった。
相場のほうは戻り売りのように思う。
自由化論はひとまず“お預け”で、次は次期枠ヒアリングをめぐっての思惑となる。
どの程度になるか、おぼろげなりとも、その感触が掴めないと、積極的に手を出せない。―と考えるのが常識だが、委細構わずに買う筋があるので、人気はエスカレートする。
崩れたりとはいえ、期近はまだまだ強気の支配下、納会で意外に荷を呼び、どう転ぶか判らないにしろ、今は売り込むのは少し怖い。
この点、期先二本は売り勢力が圧倒している。
それに先限となると、次期枠引き当てのヘッジの重みが加わってくる。三万四千円どころというと、高値から二千円押し、三万五千円台で時間をかけ取り組んだ地点からでも千五百円押し、やきもきした売り玉だけに、マバラ筋は一応利を入れるところ。
「この辺り、よいところ」というのは、こうした市場人気を言っているもので、では、Vの字型の切り返しがあるか―というと強気でも首をひねる向きが多い。
それにしても、役所は次期枠を決めるのにさぞ頭を悩ますことだろう。
予想より多過ぎてもいけないし、少ないのも駄目。一般にいわれる予想は、上が三千万㌦から、下は二千二、三百万㌦と幅広い。五百万㌦も違えば大変なことで、その兼合いが実に難しい。
まあ、それは横に置いて相場を眺めると、先限の三万四千四、五百円どころは、相当な戻り売りの圧力が加わりそうだ。
●編集部註
お葬式と言えば、この年の3月に米国のSF作家、フィリップ・K・ディックが亡くなっている。
『トータル・リコール』『マイノリティ・リポート』『高い城の男』などは小説だけでなく映画やドラマでも現在観る事が出来るが、世界で最も知られている彼の作品は1968年に発表された『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』かも知れない。リドリー・スコット監督作品『ブレードランナー』の原作としてである。
この映画は彼がこの世を去ってから3カ月後の82年6月に全米で公開され、その1週間後に日本公開されている。
独占企業の暴走、独裁政治、全体主義…。彼の作品には、よくディストピア的な世界が登場する。発表当初はどれも荒唐無稽な話に思われていたが、徐々に時代が作品に追いついて来た感がある。