小豆強気しても夢がない
薄商いの節に買われて強くみえる小豆を売る。先限三万円割れが今週後半にある。
あけてびっくり小豆の作付け三万七千百㌶は、前年比小一万㌶の増反だった。
相場は知ったらしまいで、もう増反は気にしないでよい―と、強気はいうが、あとから、ゆっくり響いてくるのでなかろうか。
小豆の線型は、やはり先限三万円割れを暗示している。これは、相場の流れである。
商いは薄い。薄商いを少しまとまって買うと強くみえる。しかし実勢はダウントレンドに乗ったままだ。
小豆作柄のほうは一時九分作がいわれたけれど、その後の好天で十一分作などと、平年作を上回ったように伝わる。
今の市場、強気はあくまで強気である。
それは高いところを掴んでいるせいもある。
弱気は流れに乗っておれば、なんということもないから気が楽だ。先限が三万円割ってから考えればよい。
それと来月新甫の二月限登場は、先のほうに重りをつけるようなものだ。
ともあれ今週後半から下げピッチが速くなる足どり。
輸入大豆は強気しても疑心暗鬼だから利食いが早い。
東京四千四百十円=三分の一戻し地点を取るトレンドに乗っている。
いまは底固めという格好だが、円高も一応の限界にくるところだし、シカゴも底が入った感じだ。
この相場を売って、一体下を幾らにみるのか。
史上最高の豊作予想とはいえ、収穫までにまだまだ日数がある。
油断していて早霜の予報でも出れば劇的変動ということになりかねない。
輸大相場も今週後半にアッという動きをみせよう。
●編集部註
この時、ドル/円相場は1㌦=250円台。その半年前は1㌦=230円台であった。それがこの年の10月頃には277円まで円安となり、そこから10週間後の83年1月には230円台を一時的に割り込む。8カ月間の円安は、僅か10週間で元の木阿弥に。これは当時のFRB議長、ポール・ボルカーが3年にわたって続けていた金融引き締め政策を断念した時期と重なる。
この年は台風をはじめとした気象被害が深刻な年でもあった。過去の年表をひも解くと6~10月までエルニーニョ現象が起こっていたとの事。日本は雨に祟られていたが、インドネシアやオーストラリアでは干ばつの被害に悩まされていた。
なお、この年の日本は暖冬。スキー場に雪のない暖かい年末を迎えた。