昭和の風林史(昭和五七年十二月十五日掲載分)

輸大は来春大型相場展開

シカゴ大豆が逆三尊の大底入れ。これが大直りの足取り。輸大も大相場の序曲。

年末は大きな損をしたくないから誰でも用心深くなる。

利は伸ばせというよりも、早々と利食いする。

また、大きな思惑も控える。

自然商いは薄く、動きも小幅になるが、小豆も、大豆も大体底入れした動きだ。

たとえば小豆だが収穫一二〇万俵の発表があっても織込み済みだし、輸入枠の発表にしても、それで相場が崩れていくものではない。

弱材料に対する免疫は十分にできている。

下げるものなら先限八千円大台回復などせずドカドカと下げる筈だ。

知らず知らず値段の抵抗がついている。

輸入大豆にしてもこれの相場癖はたいてい年末大底である。

T社投げなど大出来高の日があって取組が入れ替わっている。

また、注意しなければならないのはシカゴ大豆のトレンド、とくに週足は完全な底入れ型の逆三尊。これが大直りの姿である。

市場人気は中豆、中豆と非常に弱いが中豆二〇万㌧は織込んだ。

材料もなくジリ高で締まる相場はなにかある。これをないがしろにしていると思わぬ高値にアッと驚くだろう。

本当は来春に期待する所である。

大相場の展開は間違いないと思う。

おそらく先限四千二百円とくれば売り一色になるだろう。相場はそれから売られながら煎れ場面につながるコース。

材料は多分シカゴから刺激される筈だ。

●編集部註
 〝完全な底入れ型の逆三尊〟とはどんなものだろうと思って当時の週足を見ると、正直なところよく判らない。
 82年11月から12月にかけて形成されている陰陽の保合いは、どちらかというとフラッグやペナント等のチャートパターンである。
 いささか強引な感じもするのだが、82年10月4日の518㌦を頭に、同年7月7日の603㌦を左肩、同年12月15日の安値560・75㌦を右肩として、同年7月13日の高値631㌦と11月19日の高値591㌦とを結んだネックラインを突破すると逆三尊が形成されていたと言えなくもない。
 そしてどちらの見方であっても、この時期の相場は上値抵抗に差し掛か っており、これを突破すると強気トレンドが発生するチャートパターンになっていた。
 実際、この上値抵抗を相場は83年1月第一週に引け値で上回っている。