輸大の人気相場も末期だ
輸大期近は煎れ相場でサヤ修正。シカゴをあてにしているが中豆の足もと御用心。
小豆は残暑きつくて消費不振。更に残暑は産地の作柄を持ち上げる。
消費地在庫は確かに軽いが、実需は高値?みになって腹一杯だし、先に行けば入船遅れの輸入小豆が入荷するからあわてない。
帯広の小豆畑の六千四百ha廃耕(36%)は七月の時点で織り込み済み。
今更なにを買うか(強気するか)といえば早霜ぐらいだが、仮りに早霜被害があっても瞬間的に買われるだけで、逆にそのような場面は絶好の売り場。
それよりも自由化の問題が、どこまでもつきまとうのが嫌だ。
このように見てくると市場は閑になり、玉の出具合いの高下だが、高値因果玉が整理されていないし、当限三分の二戻し、11限の半値戻しは、夏天井した相場のゆれ戻しに過ぎず基調は秋底取りのトレンドで大引新値三段も売りのまま。
12限、1限の八月20日安値と九月1日安値は、あれは大底になっていない。間隔(日柄)が短すぎるし、引き継ぎ足でも底型になっていない。
従ってこの小豆はどこかでもう一度大崩れがくる。
輸大は今この商品しかお客を集めることはできない。やれ買え、それ買えで高値を腹一杯買いついて亢竜悔ありとなろう。
前二本のサヤ修正は天井圏で見せる相場の人気作用。前二本は煎れているわけで、在庫を見れば実需からきているわけでない。
シカゴさえ爆発すればという一ツの賭けでもあるが、シカゴも不作は織り込んだ相場だ。
まして穀取は中国大豆の供給に不安はない。
相場は日柄というのも(1)材料織り込む。(2)サヤ修正する。(3)高値に荷が寄る。(4)実需手当て一巡。(5)高値おぼえ値頃観買い。(6)相場の疲れ―などがどこかで一度に出るのである。
●編集部註
仏教では、自身の修行もさることながら、阿弥陀如来が立てた誓願(本願)に頼って悟りを開く事を「他力本願」という。
これが、どういう訳か現在では「自分の力は使わず、他人の力にすがって動く」という意味に変わっている。
〝シカゴさえ爆発すれば〟というメンタルはまさしくこちらの「他力本願」の意味合いになる。
故にこの言葉を解説した親鸞が宗祖になっている浄土真宗では現在の使い方は誤用としている。そのため、下手にこの言葉を使うと失敗する。現に政治家がこれを安直に使って大問題になった。
言葉は大切である。