小豆二年続きの凶作なら
二年続きの北海道小豆凶作の可能性が濃い。七・八限三万四千円当面の目標である。
小豆期近売り玉は増証と追証の窮地に立たされ、踏まざるを得ん。
まして気象異変(寒冷)が顕著となっては、先行き需給が緩むとしても時の勢い、人気に勝てん。
台風の目である東穀六月限は売り店36対買い店六の大上長で、スライド的増証に買い玉が、じっとしておれば道中の売り玉は煎れざるを得ないだろう。
買い方にしても突飛高には利食いして、規制の風圧を避けるかの如し。
これから異常気象に関して新聞、テレビ、週刊誌など盛んに報道するわけで種もまだ蒔かぬうちから―というものの相場の世界は可能性に賭けるし、材料を先取りしていくだけに、ファンダメンタル面よりも市場内部要因と人気の前には理屈は通らない。
証拠金の大きい前二本は避けて、七・八限、あるいは九限を買っていく分には、判りやすい動きだ。
海水温が異常に低い地域が随分南下し、北海道の夏は昨年以上に冷めたい風が北東から吹きつけるであろう。
二年続きの冷害は昭和に入っても6 7年。9 10年。15 16年。28 29年。と四回もある。よほど心してかからぬと七、八、九の限月も割安観から買い気殺到、昨年の高値三万四千円台を取りに走りかねない。
強気にすれば、みんなが強気になったから、きっとその裏が出るだろうと見ている。しかし、相場の大局的流れからいえば、今の売り方は、なにかに逆らっている。
トレンドからいえば、売り対象限月である10月限にしても一万七千円台を指向しているだけに、値頃観で売るのは危険すぎる。
●編集部註
1984年の黄金週間明け一発目の文章である。
先般「黄金週間」という言葉が日本の映画業界に由来する話をした。ただ世は80年代。日本映画製作者連盟という団体のWEBサイトが公開しているデータベースを見ると、映画館のスクリーン数は1960年の745 7をピークに減り続け、1984年は3分の1以下になっている。
この頃の黄金週間にかかっていた作品を調べてみたが、アル・パチーノの「スカーフェイス」やクリント・イーストウッドの「ダーティーハリー4」など、なかなかに物騒な作品が公開されている。邦画では「海燕ジョーの奇跡」も公開。この作品の裏話は昨年出版された春日太一の「黙示録」という本に記されている。舞台裏だけで映画が作れるほど無茶苦茶な話だ。
そう言えば、コロナ禍で休業していた映画館が「風の谷のナウシカ」を上映するという。これは84年3月公開の作品だ。
令和2年7月14日記