09月10日付 メリマンコラム 《回顧と展望》その3

以前も当欄で記述したが、FRB(中央銀行)とホワイトハウス(政府)双方とも、米国株式が棒上げする様を見たいと望んでいる。
何故ならそれは株主達の純資産価値を増加させるからで、そうでもなければ今は、財政政策の重石による緩慢な経済成長が、不吉とも言えるほどに皆の関心の焦点となるからだ。
実際のところ、株式市場の高騰は、差し迫った財政の断崖から投資家の気を逸らせ、混乱させるだけだ。
この断崖は、仮に来年1月1日までに投資家への増税が撤廃されない限り、株式市場において30%(あるいはそれ以上)の下落が起きることを指し示している。
したがって、たった今でも株についての古い諺は有効だ。即ち、『 山高ければ谷深し 』。
(財政の)断崖は日々、迫っている。その崖からどんどん落っこちてあたりは死屍累々となるのも時間の問題だ。
その上さらに、時間切れにもなりつつある。何故なら、11月6の米大統領選(投票日)までは何も為されないことがわかっているからだ。
この問題を解決するにはあと2カ月足らずしかないが、議会も、おそらくはホワイトハウスもレイム・ダック(註:足の不自由なアヒル=転じて政治の世界では「役立たず」を意味する)と化している。
見通しは芳しくない。とりわけ今現在、天王星/冥王星スクエアのまさに渦中にあることを考えればなおさらだ。
そして、金と銀の投資家はこのことをよく知っている。何故なら、やはりこの差し迫った財政危機と極めてインフレ寄りな中央銀行の決定のただ中にあって、金と銀もまた、数ヶ月ぶりの最高値水準まで急騰しているからだ。
しかし、我々はこれを予測していた筈じゃなかったか?
即ち8月23日~10月5日(日本時間では8月24日~10月7日)、丸々この時間帯、火星は蠍座に入居するのだから。