10月08日付 メリマンコラム 《短期見通し》 その2

 だがそこには罠がある。つまり、こんなにも強い木星的な要素が働く時に、それが大衆の中に楽観的で肯定的な雰囲気をあまり生まない時は、同じエネルギーがかわりにヒステリーとなって表現され、パニックへと導くということだ。
 以上の事から、見通し(bias)としては強気だが、以下の状況に陥る点には注意を払っておく必要がある。それは楽観論とマニフェストが実行しはじめるという期待が出てくる代わりに、市場の暴落がはじまり、ヒステリーが生まれるような事態の事である。

 このような事態に発展する萌芽は、既に芽吹いている。そう、これまで当欄で幾度となく言及している、期限(来年1月1日)までに予定されている全ての増税が撤廃されない限りは訪れるであろう財政
の断崖(Fiscal Cliff)問題だ。

 天王星/冥王星は今や堅固なスクエアとなって構え、ホワイトハウスと議会は「国に奉仕する」という彼ら本来の義務を遂行するより選挙に勝つことの方に照準を絞っている。
 そして(問題解決のための)時間はどんどん失われていく。そうした中で、これらのジオコスミック・サインは、やはり、合意はそうやすやすとはいかない、あるいは期限には間に合わないかもしれない、と私に示唆しているのだ。
 
 そもそも、合意など起こらないのかもしれない。
 
 10月28日、火星が木星(射手座の支配星)とオポジションを形成している頃には、「空騒ぎ」や「ヒステリックなパニック」のエネルギーも絶頂に達する可能性がある。仮にそうならなかったとしても、11月22~27日(日本時間23~28日)には、またもう1つ強力な(そして“断崖”となるかもしれない)シフトがやって来る。

 それは天王星/冥王星の強力なスクエアに対する火星トランスレーション。この期間、火星は天王星とスクエアを形成し(日本時間11月23日)、冥王星とコンジャンクションを形成する(11月28日)。

 これは世界の政治、軍事、金融面にとって、潜在的に非常に危険な位相である。