10月15日付 メリマンコラム 《長期見通し》その3

但し、1982~1985年のあの時(の米国では)、厳しい決断、犠牲と妥協が出来る政治家が民主共和両党にいた時代であった。

両党での妥協案が同意された後、世界の国々の多くの経済と株式市場は世界史上でも最も長期にわたる繁栄が始まった。そんな時代にまたなるのだろうか?

勿論可能である―2012年12月31日に迫る“財政の断崖”に米国が真っ先に落っこちなければの話だが…。ところで、なんだかこれは天王星/冥王星のスクエアにちょっと似ているような気がする。

その一方で、土星のサインチェンジは、様々な金融市場における長期トレンドの反転場面のあたりでしばしば起こる。 1982年の土星サインチェンジ時、株式と米国債の弱気相場は終焉を迎え、新強気相場が始まっている。今回のサインチェンジにあたり、その前段階で史上最高値レベルにまで達した株式、史上最高値を更新した米国債の両市場は前回の逆パターンになる恐れがある。勿論、債務爆発危機を回避する唯一の方法として、マネタイゼーションが実現できれば話は別だが。

それ故に“財政の断崖”問題が終わって、もはや先送りするものも無くなった時、長期投資家にとって金は魅力的な商品として出現してくるのではないだろうか。ただここは《長期見通し》、何も数ヵ月後に起こる話である必要はないのだ。