相場は元気ない

ほどほどに生きていくことが、どんなに難しいか。八十歳を過ぎて、この冬にわかった。

かればれや竹の中なる草の蔓 闌更。

寒くなってきますと、朝起きるのがつらい。
「えい」と起きるが、また布団にもぐり込む。
寝ている所から時計が見えるようにしてある。目覚まし時計も枕元に二ツあるが、鳴るようにはしていない。
鼻風邪で、薬局の売薬を飲むが、よく効かない。栄養不足ですねとヘルパーさんに言われる。ゆで卵二個の夕食。味噌汁の具に、なにか栄養のあるものでもあればよいが、薄揚げと大根。
大根のおでんが好きなのを知っているので、ヘルパーさんは大根ばかり買ってくる。牛蒡天とか、半片とか、薩摩揚げとか、身になるものもあろうに。
そうは言っても食欲はないから、ヘルパーさんの買ってきたものには手をつけない。プリンがあったら食べてみる。
薬局の薬も、決まった方法や時間にちゃんと飲まないと駄目らしい。なんでもいい加減だから、病気の法もいい加減で付き合う。
夜はテレビなど見ないから、早く寝る。
NYのガソリンもゴールドも安い。LDN原油も値崩れした。
NYダウも売り線になった。これで日経平均株価が崩れると、相場界は「戻れば売っておけ」となる。
本当は、世界の景気は悪いのである。ヨーロッパも中国もアメリカも悪い。その中で、東京が元気を出せと言っても、それは無理というもの。
山頭火なら「しぐるるや死なないでゐる」。
山あれば山を観る。雨の日は雨を聴く。春夏秋冬。あしたもよろしく、ゆふべもよろしく。