12月10日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その1

『ホワイトハウスは連邦議会が米国の債務上限を一切の前提条件無しに引き上げるべきだとし、イチかバチか、ギリギリの交渉にかつて無い新たな要素を付加してその立場を硬化させた… 11月の選挙からわずか1カ月で、ホワイトハウスと共和党の超党派精神は、短命にも雲散霧消してしまった… 』— ウォールストリートジャーナル紙 2012年12月6日付け 「ホワイトハウス、債務上限引き上げ問題で態度を硬化」より

これではまるで、2000年問題の再来だ。

読者の皆さんは覚えておられるのではないか? 世界の殆どのコンピューターが「2000年」を考慮しない日付パラメータを搭載していた事を。これらのマシンは2000年1月1日になった途端に機能を停止するのではないかと推測され、世界中を想像絶するカオスに陥れた。当時と今との間で、いくつか考えられる因果関係のうちの一つは、この時も株式市場が“崖”から転落し、その下落率は30%だろうと推測されていたことだ。

我々は、また再びその断崖に辿りついた。米国における一連の新たな税金と歳出削減が発効し、株価を約30%下落させるだろうとの推測を伴いつつ、米国(そして世界の殆どの地域)を悪夢のような不況へと陥れる、もう一つの1月1日という期限に今、刻々と近付いているのだ。

1999年~2000年を振り返ってみると、世界は土星・天王星スクエアの渦中にあった。今日、世界は天王星・冥王星スクエアの渦中にある。現在残るたった一つの希望は、米国の議員達、そして大統領が、2013年1月1日に発効する恐怖の法令を避けるために、ある種の妥協点に到達し得ること、それのみだ。だが議員もホワイトハウスも、「財政の崖」については何も進展を見せようとしない。これは大統領が願いや宣言をどう表明しようと、天王星が他の主要な惑星とハードアスペクトを形成している時の典型的な状況だ。大統領はクリスマスまでに合意が達成されることを望んでいるだろうが、彼の願いは聞き届けられない。債務上限の引き上げが承認されることを念頭に、彼が『こんなゲームを来年も繰り返すつもりはない』と宣言したとしても、共和党側は、大統領がまず最初に米国の負債とその削減について、何らかの形で財政責任を取ることを示すという保証でも無い限りは、彼の宣言に沿うような進展を生み出そうとはしない。