お前ではなし

高熱をだして寝込むより、ぐずぐずとした風邪のほうがタチが悪い。いろんな意味で茫洋(ぼうよう)としている。

日本の選挙も終わり、為替も落ち着く処だ。

円が売られたが、選挙終わって日が暮れて、もういいだろう。

上影の長い線は材料出付くし線。されど、大きくも売られまい。

海外はクリスマス休暇。開店休業である。

儲けた人は手仕舞いして、南の島でゆっくり骨休め。休むも相場を実践できる幸福かな。

まだ相場を張っている人は、サラリーマントレーダーか、損失を抱えた投資家。

負け組の世界で、敗者復活にかける人たちの叩き合い。こおいうのを、急ぎ働きという。

米市場は、財政の崖を巡って一喜一憂。

年内解決か、年越しかを考えても、政治家の腹の中まで読めるわけがない。

いずれ解決するだろう。なぁに、相場は来年もある。

今は外の雑音を遮断して、クリスマス、年の瀬をゆったりと楽しむのが良い。

とはいえ、年の瀬はあわただしい。ゆったりどころか、時にわずらわしいこともある。

江戸の蜀山人、大田南畝はこう詠んだ。

世の中に人の来るこそうるさけれとはいふもののお前ではなし。

内田百閒は、この狂歌の横にもう一首加えて玄関先に貼り付けた。

世の中に人の来るこそうれしけれとはいふもののお前ではなし。

見切り千両、日没閉門。見えすぎることがものごとを見えなくしてしまうこともある

あえて見ないことで、逆に見えてくることもあろうというもの。