嫌われたら仕舞

嫌われると、おしっこの入ったお茶を飲まされるともある。軍隊ではフケ飯である。

ともかくあなたまかせの年の暮 一茶。

あなたまかせというが、まかせる人がいなければ、自分でやるしかありません。

自分でやるのがめんどうだから、人様にたのむ。ものをたのめばそれなりの御礼が必要。

人使いが荒いといわれるのは、要するに御礼をしないからだ。

軍隊などで、星一ツ多いからといって、部下を手荒く扱うと、散兵戦で、うしろから弾が飛んでくる。

会社などで、部下に偉そうにばかりする上司のお茶に〝おしっこ〟を入れておいたという話もある。知らぬが仏。

おしっこを入れたお茶を飲まされた上司は、身から出た錆である。第一線で、うしろから弾が飛んでくるよりは良い。

人には嫌われないように。要するに偉そうにするからである。偉そうにして、なんの得があるのか。性格でもあろう。

おしっこの入ったお茶を飲まされた人をみて、女子事務員はせいせいしただろう。

感情なんてそんなものである。せいせいするとは〝ざまあ見ろ〟である。優越感である。

この世の中の仕組みの根本は、こんな処にある。軍隊では、「フケ飯食わす」。下痢するからすぐ判る。

われわれ子供の兵隊時代は、嫌われた上役の毛布の中に、蚤を集めて入れた。「君たち、よくこんな所で寝られるなぁ」とあきれていた。「なれてますから」と、すずしい顔である。

子供の兵隊といっても、十五才で正規の陸軍二等兵である。三八式騎兵銃を持たされた。