1月7日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その2

 これは、もし合意に達する事が出来なければ世界的不況の原因になるとして、あまねく怖れられていた。以前、有料会員向けレポートでも述べたが、合意に達するには格好の機会が訪れるが — それは(需要変化日である)12月30日以前でも1月4日以降でもない — それでもそこで漕ぎ着けた合意は債務問題の解決には殆ど何の足しにもならない。

 事実、合意は1月1日の夕刻遅くに達成された。しかし、それは米国の連邦債務を削減する代わりに、2010年代において負債を4兆ドル増大させる。これでは誰も幸せにはならない。更に重要なことは、この合意がいまだに現存する財政困難への怖れと不確実性からの解放には殆ど役立たなかったということだ。

 当然ではないか? これはファイナンシャル・アストロロジャーにとっては不思議でも何でもない。天王星・冥王星スクエアは、2015年3月まで今もなお継続して発効中なのだ。

 米国の財政、いや世界の財政の将来にさえも待ち受ける不安と恐怖が、再び時を待たずして増大してくるだろう。米国は、2月終盤にはその債務の上限に達するのだ。

 財政の崖に関わる強制的支出削減は、再びあと2カ月間先送りされた。果たして大統領と議会には、手遅れになる前に別の合意に達する能力があるのか?という懸念を投資家に生じさせる、ワシントンの政治ショーが繰り広げられるのは間違いない。

 この“財政ブルース” の新ラウンドは、すぐ間近に迫っている。投資家は、ひとつ終わればまた次へと継続的に懸念の壁を登り詰めるストレスから解放されはしない。投資家達がいまだにゲンナリした様子を見せていないというのは凄いことだ。

 だがその一方、お金というものは拠り所となるベースを必要とするものだ。中央銀行が今までに類を見ない規模の紙幣を刷るのに伴い、どこかに寄り集まるべき大量のお金が湧いてくるだろう。株式市場こそがその最善の場所だ…そう、そんな声が昨今の巷から聞こえてくる。