世界の株価指数の多くが年初来高値を更新したにもかかわらず、先週の(株式)相場は比較的値動きの穏やかな週となった。例えば先週1週間のNYダウの値幅はたった170ポイントに過ぎなかった。また前週の値幅はわずかに159ポイント。ダウの値幅が200ポイントを切った日のうち、この水準に匹敵するものを探すとしたら、2012年9月21日の週まで戻らねばならない。この手の “coiling pattern”*は、今にも何か大事が起きようとしていることを示唆している。
【註】coiling pattern…相場用語で単純に「保合い」と訳してもよいのだが、保合いの一種としてあえてこの言葉を出して来た以上説明する必要がある。ペナントやフラッグが大きな保合い(コンテュニエーション)パターンのミニチュア版であるように、このパターンはレクタングル(上下の値幅がフラットに進行する保合パターン)のミニチュア版と思っていただくと判りやすい。例として挙げられたNYダウは2月以降、高安値が13800~14000付近をフラットに進行している。
なお、12年9月21日はナスダックが年初来高値を更新した日であった事をご記憶かと思う。この高値から同年11月16日に安値をつけるまで、相場は400ポイント以上下落し続けた。S&Pはその前週にトップアウトしたのだが、その間ダウは10月5日にわずかながらも、この9月の高値を更新。この時点で、他の指数との動向から天井を確認する事はできなかった。ただその後7週間、全ての株価指数が10%の暴落をみた。世界の他の市場にはもっと酷い下落が起きた。