強いものは強い(日刊版 2月15日号掲載)

相場は上がるために下げ、下げるために上がる。大切なのは、大きな流れ。木を見ず、森を見よ。

春立つや雪嶺はまだ夢の白 章。

暖かくなったと思うと、また急に寒くなる。

この寒さは、饂飩や、蕎麦を茹でるときの差し水のようなものか。

通称、ビックリ水。煮え湯の中で、かき回すだけでは麺がだらける。

今の相場も、ビックリ水が入る所か。ドル円相場が、九十四円前後で停滞気味だ。

何に慄くドル円相場。

あまりの円安のスピードに諸外国から何か言われるのだろうとビクついているのだろうか。

円高のときは何も言わず、少しばかり円安になれば、自国通貨安を誘導していると大批判。

特に欧州がうるさい。日本の輸出攻勢を恐れるあまり、為替でハンディーをつけなければ、諸外国の技術は日本には勝てない。

ついにオリンピックの伝統あるレスリングも競技から外すという。

それもこれも、日本が強すぎるからである。

欧米の、何かと文句をつけて相手を不利にさせようという気質は、幕末のペリー来航以来変わっていない。

何もかも、政治力で抑えることが出来ると思っているのだろうか。 

上を向きだしたドル円相場は、簡単には下に向かない。

ドル円相場は、怯んでいるところを買っていけば良い。円安材料は後からついてこよう。

保合い上放れは、さくら咲く頃には100円台。

ゴム、白金も年初来高値更新は見えている。年末には二〇〇八年の高値に迫ろうか。

強いものは強い。