3月18日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その2
先週の株式市場はこれまで同様殆どがポジティブで、いくつかの市場で年初来高値を更新。NYダウにいたっては市場新高値を更新している。
しかしそれは“爆騰”というわけではなく、また世界のいくつかの市場ではこの動きに合致しない状態であった。
そして、これもまた水星逆行サイクルのこの段階、すなわち17日(日本時間18日)に順行に戻る前段階(準備段階)で見せる典型例といえる。往々にして水星逆行の終盤に差し掛かると、より小さな取引レンジの中で、相場は往来相場に精を出すというのが一般的である。
例えば欧州市場を見ると、DAX(独)が史上最高値を試しにかかるなど、大半の市場が年初来高値を更新。しかしAFX(蘭)は1月の高値をも更新できなかった。
もっと奇妙だったのはアジア市場である。日経平均株価は2008年以来の高値水準に向けた強い反騰姿勢を維持していた。僅か5カ月足らずで4000ポイント近く上昇し、(07年の高値からの下げ幅の)半値戻り水準に達しようとしている。これに対し上海総合とハンセン指数(香港)は先週下落。ハンセンにいたっては1月の安値を下回って年初来安値を更新したのだ。
金および銀市場でも、先週は狭いレンジの中でこう着(揉み合い)状態。
その中で最も興味深かった金融市場は通貨、とりわけスイスフランとユーロであったのではないか。安値形成後は生体反応(signs of life)を見せているようだ。これはNY原油も同様である。
ただしこれらのケースにおいて、週のレンジはたいして大きくはなかった。ひょっとすると、来週の中ごろまで、水星逆行が終わり、静止状態から順行に戻り始めるなかで、相場の上下変動を起こし、更により通常の相場パターンに向けたテクニカル的な下値支持線や上値抵抗線への反転がはじまって行くのではないか。まあ、それはいつも起こる事ではあるのだが。