3月18日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その1
“アレシナ教授が主張するには、「より強い経済成長へ戻る道がもし有るとするなら、それは大幅で恒久的な公共支出の削減と比較的小幅な増税のコンビネーションだ」。その方法論が何故良いのか? 「支出削減をベースとした調整は、生産性の低下という観点から見て税金ベースのそれより犠牲が少ない。支出ベースの調整は多くの場合、穏やかで短期の景気後退に関連付けられてきた。税金ベースの調整(増税)は、長期に及ぶ深刻な不景気に関わるものとされてきた」”
— by Daniel Henninger, ウォールストリートジャーナル紙 2013年3月14日付より引用。
この記事は全米経済研究所の依頼によりハーバード大の経済学者アルベルト・アレシナ教授によって研究・報告された「財政再建」をテーマとした論文について解説しており、その研究内容は、OECD加盟国政府によって1978年~2009年に実施された全17例の財政計画の過程を分析したものである。
もし私達が過去の失敗から学ぶことがなければ、私達はそれを繰り返す運命にある、とはしばしば言われてきたことだ。そして、こうした失敗を識別する方法は、歴史を遡り、似たような状況、政策、そして(または)行動の下で起きた物事を定量化/数値化(分析)することだ。これを「研究」と呼ぶ。研究の結果として、私達は共通する、あるいは繰り返されるテーマを識別し、その発生頻度を確認し、それをもって未来における可能性を把握することが出来るのだ。