黒田劇場こけら落とし(日刊版4月08日付)

何もかも国内商品は為替相場次第。円安、円高の動きがこうも激しくなると、国内商品も翻弄される。

一番太鼓の音響き、歌舞伎座がこけら落としを迎えた先週、市場では、日銀で黒田劇場が始まった。

これは「次元の異なる金融緩和」であり「戦力の逐次投入をせず」と畳み掛ける。

黒田さんは、市場へのメッセージの伝え方がうまい。言葉が印象に残る。

太平洋戦争で、日本軍は兵を逐次投入して大失敗した。

国際金融局で荒波に揉まれた経験が無いと、こんな言葉は出てこない。市場へのインパクトは、十分であった。

結局は何を“どうするか”といった、細かい説明は要らない。ただ一言“何をするか”が判ればそれで良い。

政治家も同じ。あの小泉劇場も“自民党をぶっ潰す”と、一言で市場の話題をさらった。

白川さんも、野田さんも、結局何を残したのか、我々の記憶にない。

それにひきかえ、安部さんの方針は明確だ。

グリーンスパンさんもバーナンキさんも、市場に発信するメッセージは明確だった。

市場を味方にすれば体制は決まる。円安の流れは加速をつけよう。

大勢景気も良くなる。だが、物価も上がろう。それはそれで、今までの、悪い流れをぶった切るには必要なこと。

そんなこんなで、相場様。NY金が下ヒゲで1550㌦割れ。引けで戻したが、六日の終値で大勢が決しよう。

国内商品は円安で戻した。しかし、NY市場の足取りが悪い。銀、白金、原油、そしてダウ平均も、六日の引け値が何かを伝えよう。