花に嵐、心配御無用(日刊版4月09日付)

花ニ嵐ノ例ヘモアルゾ、サヨナラダケガ人生ダ。

では、何にサヨナラか。東京市場への弱気の心である。

花篝衰えつつも人出かな 虚子。

先週末はけったいな相場であったが、天候もおかしかった。

春の嵐が花びらを吹き飛ばし、花見は急遽「葉菜見」になった。

何の事はない。要は酒が呑めればそれで良いのだ。

為替相場は、円安が加速。週末、花の乱は、ドル円の弱気筋を一掃。

三月高値から半月に亘って下げ続けたドル円相場が、たった二日で高値を取った。

強気から、弱気へと傾きかけたどんよりとした雲を、春の嵐が吹き飛ばした。

月にむら雲、花に風。世の中、なかなかうまくいくものではない。

天気晴朗ナレド波高シ。

相場の高下で、人間心理が揺れ動く。恐怖感に、どれだけ信念を持って立ち向かえるか。これが大儲けできるか否かの秘訣である。

さて、六日の引け値は、NY金が陽線棒立ちで戻した。

東京金は円安も加わり、5000円台にタッチ。

終わったと思ったら、切り返す。

弱気に転じれば強気に転じ、強気に転じれば弱気に転じる。ほんに相場は、人の心理と、期待の逆に行く。

相場は、心理戦争である。それが判っていても、出来ないところに相場の難しさがある。

言うは易く、行なうは難しである。

行雲流水の如く、心情で参入できれば良いが、経験を積めば積むほど、知識とトラウマが邪魔をする。

国内金は、未踏峰に挑もう。