*今回の《長期見通し》は大半がMMTA(メリマン・マーケットタイミングアカデミー)に関する記述なので割愛します。従って15日付コラムは17日をもって終了です。
*今回は今週MMAゴールドレポートに付記されていた「BULL MARKET THINKING」4月9日付記事を翻訳したものをお送りします。原文はこちらのURLにあります。
http://bullmarketthinking.com/comex-gold-inventories-collapse-by-largest-amount-on-record/
BULL MARKET THINKINGより4月9日付け記事
Comex Gold Inventories Collapse By Largest Amount Ever On Record
(COMEX市場の金在庫破綻、史上最大規模)
取っておきの情報が昨日飛び込んできた。金の強気相場の終焉(更には金鉱山産業の終焉)が語られている渦中で、その舞台裏では個々に何かが起こっている。
ここ90日以上にわたり、何のアナウンスもなく、公式記録が始まった2001年(奇しくもこの年は金の強気相場が始まったばかり)以降、COMEX金の在庫量が急減している。
急減した金の在庫量は実質200万オンス。現在の価格に換算すると30億㌦に相当する。
チャート分析の権威ニック・レアードの分析によれば「これは指定倉庫在庫【LBMA(ロンドン地金市場協会)/COMEX(ニューヨークマーカンタイル取引所)が保有する在庫】の量が落ちているためだ。つまりこれは、彼らが倉庫から金を動かしたという事を意味する。では如何にして、そして何故動かしたのか、全くの謎である。(これまで)指定倉庫在庫は金の強気相場にともない増加傾向にあった。それがここに来て変わってきている」という。
このデータを見直してみて、最も興味深い点はどこか。それはこの在庫量が最も減少した場所にある。在庫量が最も減ったのはJPモルガン・チュース(米)とスコシア・モカッタ(伊)の倉庫となっている。
JPモルガン・チュースが発表している金保有高を見ると、この120日間の間に倉庫から消えた保有高は120万オンス。換算価格は驚きの18億㌦に及ぶ。
一方、スコシア・モカッタの金保有在庫量はJPモルガンに比べて小ぶりな減少量。ただし、65万オンス、額にして10億㌦を超える認証在庫が、ここ90日のうちに倉庫から消えている。
このグラフが意味する事について、先ほど登場戴いたニック・レアード氏はこう続ける「保有側は金を売却しているだろう。さらにCOMEX倉庫には帰ってくることもない。…金の強気相場が終焉をむかえているかって?(金にに対する)信頼性が薄れたために彼らが金をCOMEX在庫から持ち出したと?それについては判らない。ただ言える事は、金の長期保有者の大多数は別場所で保有している金を保管している。何故なら彼らはもはやCOMEXで金を保管したくないからね」。
結論として、現在の金はまだ強気相場にあるかどうかには疑問符がついているのが現在の主流とはいえ、スマートマネー(情報通の運用する投資資金)は何かを問いかけているように見える“COMEXのシステム内で金を保有し続けても良いの?”“どうすれば(自分達をも含めて)詐欺や窃盗、そして破産から守る事が出来るの?”と。
貴金属市場へのセンチメントが年々悪化の一途を辿っている中でこのトレンド変化のタイミングは非常に衝撃的である。
確かにオオカミ少年はCOMEXに関して長きに渡り何度も泣かされてきた。けれども過去主要な市場のイベントやデフォルトの危機はこれまでもあった。ひょっとすると今もそのときなのかもしれない。