黙々と売るべし(日刊版4月19日付)

何事も遣り過ぎはいけない。判ってはいるけど、相場は程々という処を知らず、行き過ぎが常である。

陽炎を見失ふまで近づきぬ 和江。

夏の季語のように感じられる陽炎は、古来より春の季語である。

冬からの解放まもない陽の輝きを、ゆらゆらとした陽炎に重ねる。

売り方にとって、いまの相場は陽炎の如き陽の光。ゆらゆらと遠くに見えるのは谷間の里。 あの里に、辿り着く事は出来るのだろうか。

買い方はかつて自分がいた頂が、遠くにゆらゆら見えている。また昇れるのだろうか。

現実に戻って、ドル円を見ると、すでに天井を打った相場である。

故に黙々と売るべし。

円安が一段落し、上げた分の調整第一波がやって来たと見る。

戻して二段下げは相場波動の掟。その目処となるのは90円処か。

行き過ぎに対しては、調整も行き過ぎる。それが相場の習性。

何事も遣りすぎはいけないが、相場は行き過ぎるのが常。程々という処を知らない。

かくして、ペナント保合いの、一番長いところを作る。そうして時間は過ぎて往き、動きが縮小。これがペナントの慣性。

やがて、ぺナントは上放れ、円安に動こう。それまでは、円安にするための円高がくる。

そうなると、金は大崩れ後に戻しても、その円高でまた下げが始まる。

NY金は1200㌦台。ただそこまで行けば底を打つ音が響く。下げたものはまた上がる。

来週二十六日は月食。往々にして相場の転換点となること多し。

下げた市場は、止まるべき地点。上げた市場はそこが天井になろう。