上げは建設、下げは破壊(日刊版4月22日付)

大きく動いた相場の後で、あれやこれや考えると気が滅入る。旨い食いもののことでも考えていたい。

明けぼのやしら魚しろきこと一寸   芭蕉。

春になると九州では白魚を踊りで食わせる。

室見川に仕掛けが張られ、とれたての白魚を、生きたまま二杯酢の小鉢に泳がせ、飲み干す。

つくづく、日本は狭くなった。九州の白魚や、富山の白エビも、飛行機でたちまち築地に並ぶという。風情がない、というと野暮か。

さてさて、相場の方はどうでしょうか。

東京市場は為替次第。その為替は、100円が重く圧し掛かる。

黒田サプライズで上げた分を、帳消しにするのだろう。

相場は、11日高値から一段落として95円台をつけ、現在戻しているが、弱々しい限り。

円安材料は出付くし、次は、円高材料噴出を待っているところ。

95円を下に切ると92円台。そこで止まるかどうか。春天井は、6月底へ。

金は焼け跡の釘拾い。NYは弱い戻りを入れた後、もう一段の下げを入れる。1300㌦を割れば、
そこからは買い場探しの相場になろう。

東京は、NYが戻しても、今度は円高で相殺。NYの下げと、円高のダブルで、4000円を見るところであろうか。そこで買うかどうかを考えれば良い。

NYダウは、14500㌦を下に切ると危うくなってくる。

一日で300㌦、さらには500㌦以上の下げが来る日も近いだろう。

上げ相場は、建設だから時間がかかる。

下げ相場は、一種の破壊だから早い。もう新値を取って上に行く力はない。