2013.05.05

2013年4月14日(日曜日)Activist Postより
Assault On Gold Update(金はいま、狙い撃ちされているところ)
Paul Craig Roberts(ポール・クレイグ・ロバーツ)

その2
人々は私にFRBによる金の不正操作を如何にして知ったかを尋ねる。同時に人々は衝撃を受けるように思う。FRBが、債券相場とLIBOR金利を中銀が不正操作している事を承知している銀行を影で動かしているという事は公然の秘密と化しているが、果たしてFRBとブリオンバンク(欧米で貴金属取引を幅広く扱う銀行)のエージェントがそんな事をするのだろうかと思うからだ。そしてこの問いに対する私の答えはこうだ「状況証拠は強力である」と。

では、金曜日(4月12日)にSDR市場でカラ売りされた500㌧の金について考えてみよう。最初の疑問は500㌧が何オンスに相当するかである。1㌧は2,000ポンド。つまり500㌧は100万ポンドに相当する。1ポンドは16オンスなので、この日、1600万オンスのカラ売りがSDR市場から出たという話になる。

この世の中に1600万オンスの金塊を持っている人物がいったい何処にいるだろう?この時の金価格は、1オンスおよそ1,550㌦、総額で248億㌦に相当する。これだけの金額を持つ人物がいったい何処にいるのだろう?

よしんば、その金を持つ人物がいたとして、500㌧分に相当するカラ売りを、一度に一日で市場に出したらどうなるだろう?その通り、値動きは下に向かう。

(この下落を受けて)大口玉を持つ投資家は出来るだけ高値で売り逃げようと、我先にと売りに殺到する。ここで金価格は1オンスあたり約73㌦も下落。これは金の売主、あるいは売り主達の金が、73㌦の1600万倍、つまり11億6800万㌦分の資産価値を目減りさせたという事に他ならない。

これだけの金額を失っても泰然自若としていられる御仁など存在しようか?いるとするならば、それは、紙幣を増刷する事が出来る中央銀行くらいしかないのではないか。

当局は現在の金価格水準を更にもっと安値水準に導いていきたい、出来る事なら、後に2回以上は売り出動をかけ、1,400㌦以下に落とし込みたいと思っているに違いない、と筆者は信じて疑わない。止まらない下落に、金現物保有者にひょっとすると動揺が走り、結果的に個人による金現物の売り上げも落ち、金保有高も減少するかもしれない。

しかしながら、金ディーラーであるビル・ヘインズ氏がkingworldnews.comに語った所によると、個人の金地金購入者は売り手1に対して50と、売り手を上回っており、加えて金及び銀貨の現物市場における保険料はここ十年で最高額となっているとの事。これに関しては、私自身もGainesville Coins(WEBサイト)で確認し、売り手よりも買い手のほうがはるかに今回の金下落に反応していたという事実を聞いた。

当局が今回のカラ売りの裏づけとなる金現物を保持していない限り、彼らは現受け要求に応えなければならないかもしれない。現物でこのショートをカバーできなければ、このイカサマが世間に知れ渡ってしまう事になる【続く】。