追えば、逃げる。念じて念じて適うこともない。相場と長く付き合うには、自然体が一番である。
ぐったりと植えてどれもへちま苗 青夜。
山頭火の句に「糸瓜ぶらりと地べたへとどいた」というのがある。
地べた「に」ではなく、地べた「へ」の、「へ」がよろしい。
地べたに、だと、糸瓜に目的があって、やっと地べたに、たどりついたになるが、地べたへ、たどりつくのは、自然であり、勝手に着く。
糸瓜といえば、戦時中、旧制中学の3・4年生は、台湾に米軍が上陸するというので召集された。
現役の陸軍二等兵(最下位のクライ)で三コ小隊(独立一コ中隊)で、子供の兵隊にされた。
食べるものは、くる日も、くる日も、朝夕糸瓜の雑炊である。
寸法の短い38年式騎兵銃と、ホッチキスの重機関銃で武装し、黄色爆薬を抱いて、自分で掘ったタコ壷に隠れる。
遭遇戦に備えていたが、敵艦載機から、機銃掃射ばかり受ける日々であった。
さて、相場の方はといえば、為替相場の消耗戦が終局に近い。
特に、ドル円相場は、もう上に行く力を残していない。
95円を割ってくる相場である。
テレビ、新聞もはしゃぎすぎた。1ドル=100円が当たり前の如く騒ぎすぎた。
大衆とは愚にして賢なるも欲張りである。100円超えは暫く時間がかかろう。
円高傾向では、国内商品もジリ安基調。
金、白金はもう一度、戻りを売られて、安値更新か、それとも踏みとどまるか。本当の相場は連休明けからはじまる。