5月13日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その1
「税収(の拡大)によって政府収入が伸びている…これにより連邦債務が予想より早く縮小している(のだが)…、政府は16.7兆㌦の債務を抱えており、債務額もまた拡大している。何故なら、政府は依然として、稼ぎよりも多く使ってしまうからだ」。
13年5月10日付 ウォールストリートジャーナル(1面)Alters Debate “赤字減少が議論を変える”より
う~ん、どこかで前に見たような…、あ、そうだ、これだった。
「ここに1つ、脳裏に浮かぶイメージがある。2013年半ば、米国は税収について素晴らしいニュースを受け取る。米国史上最高の税収となったのだ。債務残高に対する歳入側のバランスもドラマチックに改善されている。だが困ったことに、これが誤った自信と(または)分析に繋がっていく。支出側のバランスが増加するような決定も行われるのだ。歳入は増加したが、以前の約束とはうらはらに、支出もまたドラマチックなほどに増えている。したがって、最初の思いがけない税収効果が徐々にフェードアウトし、増税による冷え込みが効き始めた後、企業は再び従業員を一時解雇しなくてはならない。国の支出(消費支出)比率は収縮し始める。米国は、政府による支出バランスの増加が、結果的に国のバランスシートにまたもう1つ、財政の下降軌道をもたらしたことに程なく気付く。2014年春までに、これは突然再発した問題として浮上するかもしれない」。
―フォーキャスト2013 72ページより
ええ、わかっておりますとも。自著を引き合いに出すとは厚かましい話である。
この指摘は向こう見ずであったとも言えるだろう。あの当時、他の人たちがその翌年1月1日に迫った“財政の崖”問題(で起こりうる事象)について語っている内容とは、まるで逆の話をしているのだから。
確かに注意を喚起させるためとはいえ、自身のコラムで自著の内容を引用するのは悪趣味だ。ただ、要点はそこではない(ええ、そらぁまあ、多少はありましょうがね)。大きなポイントなのは、まさにこの問題が、米国経済に関連した金融アストロロジーの原理に添って予想通り正確に展開されているという事なのだ。
ただもっと伝えるべき事象がある。