今はタネを蒔く時期(日刊版05月28日付)

株式市場がドスンと落として、脳天八寸釘を打ち込まれた。こうなると、国内商品はみなコケる…。

株式市場がドスンと下落。脳天に八寸釘。

株がこけると、みなコケた…と言わんばかりに、ドル円も急落。国内商品も落ちている。債券相場も死屍累々の状態だ。

相場世界では、「リスク分散という」という言葉をよく聞く。

投機の世界では、事態が悪化するときは全てが悪くなる。リスク分散など、あるわけもない。

さて、この一連の下げを一時的と見るか、大天井を打って下げ過程に入ったと見るか、今は見極めが肝心なところ。

全体像を見渡せば判ることだが、株もドル円も長きに亘って下げた相場。昨年冬頃から底練りを脱出して、漸く上げ始めた相場。

その上昇が、余りに早すぎた分、冷やし玉を入れたようなもの。

炭火で肉を焼くとき、炭が熾(おこ)って炎が出てしまうと、早々に肉が焦げて不味い。氷をちょいと差して勢いを鎮める。

今は、その様な時期。

昔、天下の大相場師、是川銀蔵さんが善いことを言っていた。

「相場でも世の中でも、人々が浮ついて、誰もがジッとしておれなくなるときがある。そのとき、一人だけ動かずにいるのは、つらいものであるが、大きな流れ、大勢の見極めがつくまでは傍観して、軽率に動かないことである」。

高値から五~十%下げたら、ゆっくり買っておけば良い。ドル円も株も、今の調整が終われば高値を更新してくる。

ゴムも、貴金属もガソリンも、円高時にタネ玉を仕込み、勢いがつくところで乗せていけば良い。