13.06.29

6月24日付 メリマンコラム 《長期見通し》 その2

NSA(国家安全保障局)が、安全を護るという目的で無数の市民による交信を秘密裡に “侵入/監視” してきたことの発覚は、天王星が冥王星に対する3回目の正確なワクシングスクエア形成を終えて、4回目に向かい始めた過去2週間を通して、非常に大きな集合的不安をかき立ててきた。こうした発覚は、米国が民主主義と市民の個人的自由を護るのではなく、その守護者たることを放棄しつつあるのではないかという恐怖へと大衆を導いた。この一件は不気味な程に、今や古典となったジョージ・オーウェルの小説『1984』を思い起こさせる。それは支配者 “ビッグ・ブラザー” として君臨する政府にまつわる物語だ。

アストロロジャーにとって、これは興味深い。何故なら、2013年は1984年から29年後 — つまり土星リターンのサイクルと重なるからだ。だが、ファイナンシャル及びマンデーン・アストロロジャーにとってさらに重要なのは、2013年~2014年の木星・天王星・冥王星Tスクエアが、米国のネイタルの太陽(大統領)と土星(政府)に対してグランドスクエアを形成するという事実だ。グランドトラインがおそらく最も幸運な惑星配置であるのに対し、グランドスクエアは最もストレスが高く、挑戦的な配置だと見なされている。

米国は未来に関わる非常に重要な選択の瀬戸際に立たされているかもしれない。(憲法で保障されているように)潜在的な国家の敵(テロリスト)による危害から市民を護るために、当の市民の承諾を得ずして彼ら自身をスパイすることを選択するのか?(確かにこれを決定または承認した議員達を選んだのは市民自身なのだが) それとも、憲法で保障されているように、市民の自由とプライバシーを保護する道を選択するのか? これはこの国の品格がかかり、したがってその運命を決することになる、伸るか反るかの時期が迫っているということだ。 

どんな決定が下されようと、それは個人がその政府に対して結ぶ関係性を決定付けそうだ。その結果は非常に長期間影響を及ぼす。おそらくこのコラムを今読んでいる皆さんに残された生涯全てにわたるだろう(米国のプログレスの火星は現在逆行しており、それは2080年まで続く)。

全世界の歴史を通じて行われてきた民主主義の偉大な実験が、終焉を迎える瀬戸際に来ているのかもしれない。結末は、今回の選択とそれに続く行動にかかっている。何故なら、今や私達は 『ビッグ・ブラザーがあなたを見守っている(Big Brother is watching you:上記の「1984」で登場する街のいたるところに貼ってあるポスターのコピー)』 のを知っているからだ。あるいはこうも言える。アストロロジャーにして劇作家のマイケル・ルーティンが5年前、デンバーのUAC(ユナイテッド・アストロロジー・カンファレンス)で披露した芝居で描いて見せたように、「山羊座の冥王星:すなわちあなたは監視されている」と。

当時のあのコメディ作品がどれほど予見的であったか、果たして彼自身は知っていただろうか。いや、おそらく知っていたろう。結局、彼は世界的なアストロロジャーなのだ。アストロロジャーは全てを知っているわけではない。だが、宇宙の様相と人間活動との相関性については、他の殆どの人々よりはるかに多くを知っているものだ。