13.07.08

7月08日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その1

米国ではまだホリデイ・ウィークということから、今週のコラムは簡素なものにするつもりだ。テクニカル的な視点で見ると、とかくホリデイ・ウィークは通常より薄商いになりやすく相場人を惑わすとの悪評が高い。だが先週は水星も逆行に転じ(6月26日~7月20日)、加えて雇用統計の週だったことから、いつもよりもっとアテにならなかったかもしれない。

6月の雇用統計は非常に良好。失業率は前月に引き続き7.6%に留まる一方で、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比19万5,000人増。株式市場は朗報に沸いたが、国債と貴金属は急落した。

もし皆さんがテレビに出て来る市場コメンテーターのコメントに耳を傾けるなら、彼らはこの結果を受けて9月または10月までにFRBが量的緩和策(QE)を終えるか、または徐々に縮小する事を意味している、と告げるだろう。

これは明らかに(彼らにとっては)金利が上がることを意味するし、そんな時に金や銀のような無利息投資手段を維持したいと思う者はまず居ない。

だが考えてもみてほしい。10年債利回りがどれだけ上昇したというのか? おそらく3%程度か? あなたは3%の見返りが素晴らしいからといって自分の資金を10年物国債に置いておこうなどと本気で思うだろうか? 3%だって?

【註:先週末7月5日の米国債10年物の利回りは2.7391%。その1カ月前の6月6日の同債利回りは2.0769%であった】