連発S高あり 今からでも買え
今からでもおそくない。目標一万八千円の小豆だ。厳然買い方針。連発S高含みの相場となった。
「秋風にふえては減るや法師蝉 虚子」
注目されていた二十日の北海道小豆の作付け面積発表(農林省)は前年比22%増反の五万三千六百ヘクタール。ただしこのうち二千ヘクタールは六月の遅霜の被害をうけ、いんげんなどに植えかえられているから実質的には一般の予想通りの五万千五百ヘクタールであった。
作況の方は八月一日の時点でやや不良から不良に落ち込み、十三日以後の低温で非常に悪くなっていることから、週末の相場は上放れて寄り付いた。
場面はいよいよ結実期にむかい、作柄の最終決定コースに入るわけで、ますますもって不順な天候と長期予報にもあるように九月上、中旬の早霜、あるいは凍結予想などを想定すると新穀相場に一気に六千五百円から七千円指呼の間に買われるのはもはや時間の問題と見られる。
安値を売り込んだ玉はおそらく高値更新から七千円にむかって大々的に踏み上げてくることだろうし、降霜凍結が現実のものとなれば、更にストップ高の連続ということもありうる。
事態は予想外に逼迫していることを知らなければなるまい。
安値をベタ一面に売り込まれた内部要因と冷害凶作という外部要因。東北六県の内地小豆の作付けが増反していようと決して作柄も良いわけではあるまいし、また雑豆の自由化にしても今すぐ現実の相場に影響するところは少ない。
三晶実業があれだけ売っても叩ききれなかった相場である。また22%の大幅増反発表にもかかわらず逆に夜放れ高をする。われわれはこの現実を考えなければならない。
大阪先限一万六千三百円を抜けば、先週月曜日の十六日に叩き込んだ千円棒の倍返しの二千円高は相場の定跡であり、踏みと勢いのついた相場は一万八千円にむかって沸騰してゆくだろう。
いずれにせよ、あまりにも北海道の天候に恵まれない夏であった。
それが再び穀物市場を窮地に追い込む結果になろうとも、そこに市場があり、弱気と強気の戦いが展開されている以上、一万八千円でも二万円になろうともやむをえないのである。
これが相場である。
今からでもおそくない
厳然買い方針。
●編集部注
身近に「今日の高値は、明日の安値じゃあ、買いやで」という人がいる。
買えない相場は、強い。
【昭和四六年八月二一日小豆一月限大阪二三〇円高/東京一八〇円高】