9月9日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その2
ただ、新たな経済金融政策への(転換)懸念を他所に、投資家は当初の急落の後、ただちに株式市場へと戻ってきた。先週の終わりには、世界の殆どの株式市場が、8月28日につけた直近の安値以来、最も高い値位置にまで達していた。金と銀の下落は金曜朝に(少なくとも一時的には)終わり、雇用統計発表直後から値を戻し始めた。前週、金は8月28日の高値1,434(12月限)から、9月6日朝の安値1,358まで下落。銀は8月28日の2512から9月5日の安値2300まで下落した。一方原油は、シリアが化学兵器を使用した事への対応として、オバマ大統領がシリアに介入したがったり、いやむしろまずは米国議会の支持を取り付けたほうが良いと決意したり、結局 “不可侵の境界線” を引くのは世界の役目だ(彼ではなく)という考えに傾いたりと、コロコロ態度を変えたり行きつ戻りつするのに呼応して、右往左往していた。
それは本当に私達の集合知としての “不可侵の境界線” だったのだろうか? とにかく、原油は前週オバマ大統領の “不可侵の境界線” が破られたという発表を受けてつけた112を超える高値から、いや破られたのは “我々の境界線” だったというのがわかった先週初めには104.21の安値まで急落した。彼はまさに世界の意志を背負って… まぁ、世界の他の国々がどうあろうと断固としてシリアのアサドを支持するロシアのプーチン首相を除く、殆どの世界ということだが。これはもう、獅子座の火星が蠍座の土星にスクエアを形成する時の典型的な顕れで、いったい誰が最高度の男性ホルモン値を叩き出すかを見るテストだ。多分彼らにとって、地球上で最も多くの人々が真に信頼する一人の世界的リーダーが女性、すなわちアンジェラ・メルケル(独首相)であるという現実を受け入れるのは全くもって困難なことなのだろう。