12月23日付 メリマンコラム ≪長期見通し≫
“政府が国民を保護すると見せかけて人々の労役を無駄使いするのを防ぐことがもし出来るとするなら、私は米国民にとっての幸福な未来を予測する。”
―トマス・ジェファーソン
(先頃受け取ったニューズレターよりの引用)
さあシートベルトを締め、準備をしよう…何に対してか? 起き得ること全てに対してだ。これからの5ヶ月間は、全カーディナル・クライマックス期- 2008年1月に始まり2015年3月まで続く“艱難の7年間”-の内で、ほぼ間違いなく、最も異様で、奇妙で、驚きに満ち、そしてことによると、フラストレーションの溜まる期間となるからだ。
過去33ヶ月間(2012年6月24日〜2015年3月17日)には、私達の人生における最も長期の主要アスペクトであり都合7回起きる、天王星・冥王星のワクシングスクエアが含まれていた。それは『フォーキャスト2014』と前回のウェビナーで詳説したように、この注目すべき天体イベントの前半に起きた「隠匿された物事の露呈」を伴う、カーディナル・クライマックスの一部だ。
このような「露呈」という事象の最もドラマチックな表出が今現在進行しており、その流れは木星が天王星・冥王星スクエアに対してT字スクエアを形成する、2013年8月〜2014年4月まで続く。ファイナンシャル・アストロロジーの研究では、木星・天王星・冥王星のT字スクエアは、経済危機や株式市場の厳しい下落との歴史的相関関係を持っている。では今回もそうなるのだろうか? おそらく、そうはならないかもしれない。何故なら、月に850億ドルから750億ドルとわずかなテーパリングが発表されたとはいえ、FRBはいまだに手厚い証券購入(市場介入)を続けているからだ。これはまだ市場を支えるに十分な額だ。
しかしながら、株式市場の支えになるとは思えない物事も存在する。それは、投資家の関心が金融及び財政施策から、政治的騒乱や社会の混乱へとシフトするようなケースだ。大衆の欲求不満が溜まりに溜まって吹きこぼれるとするならこの側面からだ。今から5月20日まで、最初は金星が、次に水星が、そして最後に火星が、連続的に逆行に転じていく。金星は、最初に前進のマーチを行い、その後にくるりと向きを変えて後退するという宇宙パレードを12月21日に開始する(日本では22日から)。
市場もまたその動きに倣う可能性はあるが、その場合はおそらく、しばしば皮肉を込めて(そして不正確に)アフォーダブル・ケア・アクト/ACA(手頃な価格の保険法)と称される、オバマケアの立ち上がりを巡ってエスカレートする諸問題をきっかけとして何か起きるのかもしれない。無数の人々が、彼らの現行の健康保険を1月10日までに失う可能性がある(期限は1月1日から10日に延期されている)。
これらの惑星逆行は、木星・天王星・冥王星Tスクエアの傘下にあって、ACAを改変するための突然の、そしてひょっとすると違法とも捉えられる決定を示唆している。オバマケアの修正問題について公表されている意図は、「助けが必要な人々を政府が援助する」というものだ。まさにその通りで、週を追うごとに無法化していくように見えるこの法令に直面して、人々は今や助けを必要としている。だが一度法律化してしまえば、その修正は一人の人間の裁量を越える。ところが議会の承認を経ずに度々変更される布告は人々をますます混乱に陥れ、翻ってそれは、米国における大衆のフラストレーションの突然の高まりという結果に導いていく。
それでも、大いなるカーディナル・クライマックス(2008年〜2015年)という背景の中で、私達はその終焉へと近づきつつある。私のささやかな意見を述べるなら、ベン・バーナンキとFRBが、世界の他の中央銀行と協調しつつ、過去6年間にわたる彼らの巧みな金融政策の操作によって、大恐慌の危機から経済を刺激し続けてこられたことは、全くもって驚異的だ。そうだ、確かに中間層 ― 貯蓄者層 ―は壊滅させられた。だがもし彼らが、そのドラマチックな金融緩和政策の観点をもってアクセルペダルを踏み抜き、ダッシュすることが無かったなら、事態はもっと悪化していたかもしれない。
思うにこのホリデイ・シーズンに入って、私達は過去を振り返り、彼らの成し遂げたことをありがたいと感じるかもしれない。彼らは深刻な経済不況を防いだ。そして今、もし彼らが政界の支持を得て、長期にわたる真に継続可能な成長へと導く健全な財政政策を実施することさえ出来たなら…私達は単にこのホリデイ・シーズンだけではなく、それを越えて感謝することが出来るだろう。そうなれば、私達は未来に自信を持つことが出来る。私達のためのみならず、私達の子供達にとっての未来に対してもだ。
現在、2014年を迎えるにあたり、私は子供達にとっての未来が輝かしいとは全く思わない。私達がこの世界的負債という怪物を本当に狩り取ろうとし始めるまで、それは無い。負債比率の削減がそのスタートだ。だがいまだに私達は、負債総額を刈り込む必要に迫られている。それはまさに天王星・冥王星スクエアの反映として、高く、さらに高く、今も積もり続けている。