8月11日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その2
金曜日に流れが逆転するまでは、株式にとっては良い地合ではなかった。極東と環太平洋地域では株価は全般にわたって下落したが、特に日本では日経が7月31日につけた半年ぶりの高値から1週間後の8月8日、2カ月ぶりの安値まで実に1000ポイント以上(6%以上)下げた。それは古くからの金言:「株は騰がる時は遅いが下がる時は素早い」を地で行くものだった。
ヨーロッパにおいては、株の急落はもっと明白だった。ドイツではDAXが金曜朝に、2013年10月以来の安値水準である8903まで下落した。たった数週間前の7月20日、DAXは史上最高値10,050をつけていた。ヨーロッパの他の証券取引所でも展開は似たようなものだった。オランダのAEXは金曜朝に388まで下がり、3月24日以来の最安値をつけた。2014年7月4日(1カ月前)、AEXは2008年7月以来の最高値水準である420を試していた。チューリヒのSMIもまた8月8日金曜朝には3月24日以来の最安値水準8183まで落ち込んだ。これも6月11日には、2007年以来見ることも無かった8763に届いていたのだ。ロンドンのFTSEはやはり同じ8月8日の金曜朝に6528まで落ち込んだ。この安値水準は4月14日以来のことだ。FTSEは、ついこの前の2014年5月15日には史上最高値6899をつけていた。
米国市場の下落は他よりずっと穏やかなものだった。例えばダウ工業平均は、7月17日に史上最高値17,151をつけていた。直近の下げによる安値は8月7日の16,333で、その下げ幅は5%に満たない。S&P500の安値は1904.78で、7月24日につけた史上最高値1991.39からの下げ幅はもっと小さい。