11月03日付 メリマンコラム 《短期および長期見通し》 その3
金を再び通貨のように扱う(あるいは少なくとも金を通貨の裏付けとして必須とする)ことは、他国の中央銀行(FRBなど)に脅威を与える。彼らにとって世界の金融支配力を維持しようという切望の行く末は、「紙(不換紙幣)こそが真の王者だ」と世界に納得させる自らの能力にかかっているかもしれないのだ。
これらの銀行にとっては、金に対する信条を棚上げすることによってのみ、世界を動かしはすれども決して帳尻が合うことの無い信用拡大(いや、負債か)を続行することが出来る。言葉を換えれば、政府と銀行は、収入を超えた支出は経済にとって良い事であり、もっともっと多くの紙幣を刷ることが健全な経済成長を促すという筋書きを世界の人々に植え付けねばならない。しかしながら、現実には上手くいかなかったし、私達の生きている限り、二度と上手くはいかないだろう。
どんどん支出を増やしていくことは確かにより多くの歳入を生み出すポテンシャルを持つ。しかし今、世界の負債はあまりにも大きく、増加する支出は赤字の拡大を呼び、もたらされる歳入を超えていく。だが誰一人としてそれに直面したがらない。いや今、ひょっとすると…スイスを除いて…ということになるだろうか。もしスイスが金準備に関する国民投票でこれを成立させれば、王様(中央銀行)は裸だと暴露される怖れがある。もし他の国、例えば中国のような国がまもなくスイスの後を追ったら? もしそうなれば、不換紙幣の価値は、徐々にそれが印刷されている紙の値段と変わらなくなっていくだろう。
これもまた、天王星・冥王星ワクシングスクエアの最後の2回が展開していくにつれて金融市場で目撃されるショーの一部となる可能性がある。それが起きるなら、その爆発力は壮観だろう。しかしながら、今のところ米ドルとそれが印刷された紙は王様だ。歴史的にも、民主党がホワイトハウスの主である時は常に米ドルがキングのように見える…. 過去2回のフォーキャスト本で明示してきたように、それが終焉を迎えるまでは…。