*来週のコラムはメリマン氏がセミナーを開催するとの事でお休みになります。
2月16日付 メリマンコラム 《回顧と展望》 その1
読者の皆さん全てに、ハッピー・バレンタインデー! そして米国在住の方々にはハッピー・プレジデントデー!
ロシアとウクライナからヨーロッパまで、突然革命が起きて米国海兵隊が武力解除を命じられたイエメンから、第二次世界大戦中の戦争犯罪の補償金を(またもや)ドイツに要求したギリシャから、ISILによるテロの脅威が続くシリアとイラクに加えて今やエジプトとアラビア半島まで、またイスラエルにとって脅威となる次期核開発を止めるための包括合意期限が後4週間と迫りながら難航する交渉を続行中のイランと米国まで、はたまたフランスの法廷においてセックス・パーティに自分が長年にわたって参加してきた理由は「私が激務に追われていたからで、こういったパーティはレジャー目的の集まりであり、ちょうどデコンプレッション(圧抜き)・バルブのようなものであった」と証言した前IMF(国際通貨基金)専務理事 ドミニク・ストロスカーン(2月11日付ウォールストリートジャーナル)まで…… 世界を巻き込みつつある全ての厄介事にもかかわらず、先週の市場はホリデー気分だったように見える。
そうだ。私達は皆、この目まぐるしい天王星・冥王星の日々がもたらすストレスと付き合うために、このデコンプレッション・バルブを使うことが出来る。
世界を悩ませるこれら全ての厄介事と “懸念の壁” をよそに、先週は殆どの株式指数が調子良く、いくつかの指数は数年ぶりの新高値を記録したり試したりした。
ヨーロッパでは、金曜(13日)にDAX(独)が11,000の壁を初めて越え、新たな史上新高値まで舞い上がった。AEX(蘭)は2008年6月以来の最高値水準406.06に跳ね上がった。FTSE(英)は6887まで反騰、これは2014年9月3日につけた15年ぶりの高値にはあと少しで届かなかった。後れを取ったのはSMI(スイス)で、8665まで反騰したが、これはスイス国立銀行はユーロとスイスフランのペッグ制廃止直前の1月13日につけた9292には遠く及ばなかった。MICEX(露)もまた非常に調子良く1839まで騰がったが、これは2014年1月につけた長期サイクルの底1182からは58%の値上がりとなる。しかしそれでも、2007年12月に示現した史上最高値1970には少し足りない。西側の経済沈滞を示す全ての危機をよそに、多くの資産運用会社がロシアを投資に適すると考えているのは明らかだ。こういった事象は、彼の地で―いや此処で―本当は一体何が起きているのか?という疑問を生じさせる。