四千円は軽い 申し分ない押し
小豆は初押しである。四千円抜けのための力をつけた。手亡も押し目完了。大勢は大相場型。
「またおちてぬれ葉にとまる茄子の花 蛇笏」
小豆相場は大出直りに入っての初押しである。九月限は四月の新ポの生まれ値三千四百九十円から二千六百九十円幅を下げて、二千五百九十円幅とほぼ全値を大型V字型で戻して、初押し。当然五、七百円の押し目が入る。そして次の飛躍の〝段〟をつくる。
とりあえず、押し目幅の倍返しが考えられる。その地点、九月限の一万四千百円。
帯広測候所が五月下旬北方高気圧が現われ晩霜の恐れありと予想している。
札幌管区気象台も10日、五月の下旬から六月にかけて、はだ寒い日が目立ち、とくに明け方の低温は降霜の恐れがある―と発表した。
きょうの紙面から産地の気温を掲載する。
そして市場の関心は作付け面積に集中する。中間地帯の早いところでは小豆の蒔き付けが始まる。十勝の大場所は現在農作業が忙しく中旬、下旬に蒔き付ける。
現在までの傾向では、異常天候予想から小豆は自重気味だと伝える。
それに反して大豆が奨励作物になっている事、シカゴ大豆の暴騰、世界的な大豆の需要増大などから20%の増反が期待されている。
だいたい今のところ小豆の作付けは全道五万八千九百ヘクタール。六万の数字をやや切るだろうと予想されている。
大手亡は、昨年二万ヘクタールを割る大幅減反であったが本年は、さらに減少して一万六千ヘクタール前後まで落ちそうだ。
さて相場のほうは手亡もミシガン・ピービーンズの現行格差三千円を二千五百円に手直ししようという空気(東穀格付委員会)を嫌気して下げた。台湾小豆の格差も、品質が良くなっているので縮めようという動きがあるようだが、きょう11日の全国穀取格付委員長会議で小豆は現行通り、ピービーンズはやや手直しということになりそう。
しかし白系豆は米国ウインターもビルマ・バターも国際価格が高騰していて、早晩手亡相場にも響いてこようと予測されている。
既にインドの大干ばつが報じられ、米国大豆の連騰現象も世界的に雑穀類の価格に影響してきそうだ。
小豆相場は五月末から六月上旬の低温、晩霜という材料があるため、先限の三千円割れには抵抗がある。棒で騰げた相場の初押しである。手亡も八千五百円以下では長期思惑の買い物が積極的に介入してくる。
●編集部注
相場格言にある「初押しは買え」の場面である。
【昭和四八年五月十日小豆十月限大阪一万二七一〇円・九〇円安/東京一万二七〇〇円・五〇円安】