急騰急伸売り 棒下げ暴落買い
先限基準小豆の一万二千円台は売り上がり。S高は御の字売り。一万一千円台のS安は買い。
「あかあかと日はつれなくも秋の風 芭蕉」
手亡が小豆を支えている相場で、品不足が予想されている手亡には筋ものの買い玉が、ほぼ取り組みの半分ほど占めて、結局は一人相撲になるのだろうが、いまのところは一万四千円だ、一万五千円だと言われ、うかつに売ると踏むに踏めない。東穀の中国小豆の二の舞にもなりかねず、だから手亡の相場には、各取引員とも顧客筋に、近寄らぬほうがよいと言う。
手亡がなお水準をあげるようなら規制を強化するだろうし、あまりに高い値段が付くようなら上場商品としての適格性を欠くとか、売買停止などと言いだしかねない。
店頭で見ていると、小豆の相場の立ち合いが済んで、手亡に移ると、ほとんどの電話が切れてしまう。セリを通さんでもよいということは、手亡相場に関心を持たないお客さんが多い証拠だ。
小豆相場のほうは先限の一万四百八十円(大阪)即ち九月11日の安値は一番確認。
これがもう一度このあたりの値段を取りに来て、切っても切らずでも二番底。
二番底をつけるために、しばらく買われて、勢い余っても二千五百円が戻り一杯となる。
判りやすい方法は先限基準で一万二千円台は軽く売りあがりで、一万一千五百円以下は買い下がっていく。
大勢的には買いの場面だが、目先的には急騰、急進は売り場と思えばよい。
ホクレンがタナ上げしなければいずれ一万円を割る相場という見方がある。しかしその場合、農家は売るまい。農家は売らなくても消費地在庫は、あり余るから別条ないとは言えない。新穀を必着契約で売った産地業者がザラバも定期も買い戻しにかかるだろうし、ホクレンとて一万円を割るようならタナ上げせざるを得ないから、この小豆相場の一万円割れは考えられないと思えばよい。
しかも来年が凶作年で作付け面積も手亡が増反、小豆は大幅減反となろう。
一万二千五百円以上は当面売り場になるが一万一千円割れの小豆は買い場になる。
ストップ安を買って、ストップ高を売ればよい。話はいとも簡単である。
●編集部註
その〝いとも簡単〟な所業が出来ないから投資家は苦労するのである。
平成の現在、話題の投資漫画『インベスターZ』でも、簡単な所業が出来ない投資家が登場する。
【昭和四八年九月十八日小豆二月限大阪一万一三五〇円・一八〇円安/東京一万一五〇〇円・一三〇円安】