買い玉を〝枕〟に越年
「かずのこが暴騰しているが、この商品にもヘッジ機関があれば、昨今のような価格であったか疑問だ。私は何も穀物取引所における輸入大豆の上場について論じる気は毛頭もない。むしろ必要とさえ考えるようになった。ただ一九八〇年代は改善すべき問題点(デリバリーの方法など)を関係者がいかに論議し、対処するかによってますます社会的な必要性が高まってくると思う」(某商社部長談話)
国内定期は依然として為替を横目でみながら居どころを変える。
市場ではイランでの米国人の人質解放とのルーマに踊らされ、買い方の利食いが先行している。もっとも需給関係が健全である以上、積極的にショートしづらい場面でもあるし、息の長い相場とは衆目の一致するところだ。
商社筋も先限の五、一〇〇円は売り上がりたいとしつつも、とにかく為替が…と神経の休まる時はないようだ。
注目されたIOM大豆の一~三月積みはトラダックス、三井、三菱の三隻に固まりつつあり今後の天候によっては需給タイトに拍車がかかろう。
とりわけ三菱の満船はオーディナリーと積み合わせと言われ、現在の逆ザヤではインポーターも進んで輸入する意向はないようだ。
先限はレイク・オープンとあって買いづらいが、一~三月限のカラ売りは感心しない。買い玉を枕に越年か。
悪目を拾う
小豆 ヒネをめぐる思惑戦は実需、商社受けで最後は強気に軍配、これから新穀へ舞台を移す。
大きな目からはホクレンの管理相場、その枠内でのドラマ展開に違いないが、間断のない売り物を消化して、二万五千円抜けを目指すまでに回復してきた。玉の回転ぐあいからすると買い方ペースであり、新穀呼び出しという”熱い場面”を迎えるまでは、押したり突いたりしながら下値を切り上げていくことになろう。
悪く見えたところを買い拾いたい。
●編集部註
築地市場で、かずのこの競りは年に一度しか行われない。2016年に公開された「築地ワンダーランド」では、その年に一度のかずのこの競りの現場にカメラが潜入している。この現物取引に、先物市場が組み合わさっていれば、もっと日本は面白かったかもしれない。
『フォーキャスト201 8』執筆後のメリマン氏にインタビューしたラジオNIKKEIさんの番組の中で「牛」が登場した時、筆者は耳を疑った。
米国の先物市場の銘柄に「生牛」があると知ったのはその直後のMMAサイクルズレポートの翻訳の時だ。メリマン氏曰く、2018年以降は牛相場が面白いのだとか。
映画「大逆転」では、冷凍オレンジジュース相場が決戦の舞台であった。相場というものが、日常生活の一部になっている。