さざんかの宿

くもりガラスを手で拭いて あなた明日が見えますか(吉岡治)

見えぬから、この文章を書いている。

富む家にとりかこまれて住めり冬 翔。

寒さには耐えられず、ポケットに懐炉、背中にも懐炉をつけて出かける。

電車の車窓から生駒山を見る。もう色づきも終わり、冬支度も終わった。

事務所のあるビルの道路を挟んだ向こう側のお寺にある墓も、寒い中黙って立っている。

その裏にある公園の木々も葉を全て落として、寒々しい姿である。

冬であるのだから仕方がない。

家から出かけたところに、垣根いっぱいに山茶花(さざんか)が咲いていたように思う。

こんな寒い日でも咲いている花を見ると、少しは励まされる。

花は綺麗なのだが、山茶花の一枚ずつ散っていく姿はあまり美しくない。

その点、椿の花ごと散る姿は美事である。

さて、相場は安倍政権誕生で上に吹っ飛んだ。

しかし、自民党の議席数はやりすぎ。

前回の民主党もやりすぎた。

相場と同じ、上げすぎは必ず反動がくる。

いわば、大衆人気のようなもので、相場格言では「大衆は必ず間違える」。

結局、その反動は大衆にもかえってくる。

損するのは常に大衆という、世の中お決まりのコースを歩んでいる気がする。

上げすぎた相場の修正は早い。

次の参議院選挙でドンデン返しが来ないよう、自民党はよくよく気を引き締めて行かなければならない。