なるようになる(日刊版05月02日付)

追えば、逃げる。念じて念じて適うこともない。相場と長く付き合うには、自然体が一番である。

ぐったりと植えてどれもへちま苗 青夜。

山頭火の句に「糸瓜ぶらりと地べたへとどいた」というのがある。

地べた「に」ではなく、地べた「へ」の、「へ」がよろしい。

地べたに、だと、糸瓜に目的があって、やっと地べたに、たどりついたになるが、地べたへ、たどりつくのは、自然であり、勝手に着く。

糸瓜といえば、戦時中、旧制中学の3・4年生は、台湾に米軍が上陸するというので召集された。

現役の陸軍二等兵(最下位のクライ)で三コ小隊(独立一コ中隊)で、子供の兵隊にされた。

食べるものは、くる日も、くる日も、朝夕糸瓜の雑炊である。

寸法の短い38年式騎兵銃と、ホッチキスの重機関銃で武装し、黄色爆薬を抱いて、自分で掘ったタコ壷に隠れる。

遭遇戦に備えていたが、敵艦載機から、機銃掃射ばかり受ける日々であった。

さて、相場の方はといえば、為替相場の消耗戦が終局に近い。

特に、ドル円相場は、もう上に行く力を残していない。

95円を割ってくる相場である。

テレビ、新聞もはしゃぎすぎた。1ドル=100円が当たり前の如く騒ぎすぎた。

大衆とは愚にして賢なるも欲張りである。100円超えは暫く時間がかかろう。

円高傾向では、国内商品もジリ安基調。

金、白金はもう一度、戻りを売られて、安値更新か、それとも踏みとどまるか。本当の相場は連休明けからはじまる。