儲かる波 損する波(日刊版2月25日付)

ツイている時と、ツキが離れている時が判れば、あとは相場のやり方(資金配分)である。

影にさへつまづく齢二月憂し 乙郎。

ツキのない時、勝負事ではジタバタしない。

この心得が身につけば一人前である。

相場も、勝負事の一つ。ある日突然、運に見放される時がある。

麻雀小説家の阿佐田哲也氏が、戦後、麻雀で飯を食っていた頃、博打の神秘性、運の支配性を痛感したという。

「ツイていないと感じたら場から遠ざかる。ツキには短期の波と長期の波がある。場から遠ざかっても、場は常に見ていること」。

あえて相“場”からはなれてこそ、見える景色はあるというもの。

さて、NY金が1550㌦近辺から切り返した。ここが勝負処。

一気に1600㌦まで持っていければ、そこで流れが変わる。

さりとて、反発が弱ければ、昨年来の安値を更新するだろう。

天下分け目の関が原。売り方は利食いして、戻りをまた売ろう。買い方は防戦買いの一手。

この一年半、どちらも三度の戦いを演じ、買い方1800㌦の壁、売り方1500㌦の壁。いずれも阻まれた。

はてさて、どちらに軍配が上がるか。

当方、強気方。1500を割らないと見ている。割れば脱兎のごとく逃げるしかない。

買い方は踏ん張り処。

ドル円相場が92.50円処で踏ん張っているが、これも破られると、きつい押しが入る。

あとは、運が見方するかどうか。ナポレオンの言葉にこうある。

戦略は“運に恵まれない”という前提で練る。