存在と時間(日刊版05月09日付)

存在と時間(日刊版05月09日付)

相場はタテ軸とヨコ軸で構成されている。タテは値幅。ヨコは日柄。どちらも必要不可欠な存在也。

相場が大きく高下すると、「もう」か「まだ」かとなる。

「もう」ならば、これから幾ら下がるか。「まだ」ならば、あと幾ら上がるのか。

判るわけがない。

目安はある。ただ、得てしてこんな時、タテに気をとられ、ヨコを見ていないことが多い。

ドル円相場は、まだ日柄整理が終わっていない。

それだけに、ここからすんなりと100円超えする相場には見えない。そもそも、これは、昨年九月の安値77円台から、三割近くも上げた相場。

古来から、相場格言に「三割高下は一応向かえ」というのがある。どのような相場も、三割上げ下げすれば、一つの転換を迎えるものだ。

江戸の御世、牛田権三郎も「高下とも五分、一割に従いて二割、三割、向かう理と知れ」と、三猿金泉録で記している。

米相場の格言なので、時と場合によるが、無視はできぬ金言である。

日柄でも、半年もトレンドが続けば、ひと相場も終局を迎えよう。

今のドル円相場は、値幅も日柄も、一局終了を告げる鐘が鳴っている。

為替が円高傾向なら、国内商品も下げ基調を辿るは自明の理。

白金やゴムは、昨年夏から上げて今年、節分天井となった。足掛け半年。その後、三ヶ月調整し、白金は半値押し。ゴムは三分の二以上の押し。

日柄も、値幅も、調整十分な銘柄は、もはや、売る相場ではない。むしろ、押したら買う相場といえよう。

円高で押したところはぼちぼちと買っていきたい。