尋常ならざる日々(日刊版3月19日付)

菜の花や月は東に西に(蕪村)。最後にもう一度、悩める惑星、水星が市場を混乱に陥れた。

蒲公英や激浪寄せて防波堤  秋桜子。

ちっとは暖かくなったものだなぁ、と和む事もままならぬ。

外は、大風である。

女学生のスカートがめくれると、にやける事もままならぬ。我が身が吹き飛ばされそう。

春一番はもう過ぎた。今は何番目なのだろう。まだ、花粉症でないだけマシか。

さて、今回の水星逆行は尋常ではない。

この逆行が始まったのは二月二十三日。翌営業日の二十五日にドル円相場はマドを大きく開けて上昇。

しかし、その日のうちに、このマドを埋め、高値から4円近く下落。

日本時間三月十八日に、水星逆行は終了。

その日のドル円相場、今度は逆にマドを大きく開けて下げた。国内商品も急落。

こうなると、もう相場は判らん。勝手にしろと言いたい。

これでは、相場記者失格と言われるが、判らんものは判らん。

為替に振り回される商品市場だが、泣く子と水星逆行には勝てん。

為替も、商品も、株も、その方向性はきのうの勤王、あしたは佐幕、その日その日の出来心。どうせおいらは裏切り者よ、野暮な大小落し差し(西条八十作詞・侍日本)。

相場は判らん。判らんでも生きていける。

相場を見つけようとか、相場を当てようなどと、つまらん事は考えない。思わない。

相場は判らん「時」が過ぎたら必ず、判る「時」が来る。

世の中なんて、そんなもの。