待つは仁という

寒くなってくるのが楽しみですね。味覚の秋、なんといっても味の染みた大根である。
踏みわける萩すすきよ 山頭火。
相場は二度天井を打つと申します。
ゴールドもNYダウも日経平均株価も、反発して大きく出直って行くというのではなく、戻りを待って売り直すところ。
泥鰌総理といわれた野田さん、大きな失政もなく、ただなんとなくやっていますね。それでいいのです。
景気は良くない。良くなる方法があったら教えて欲しい。
『待つは仁』という。せかず、あせらず、ひたすら待つ。待つうちに好機がめぐってくる。
待っても待っても良くならないときもある。
日柄を稼いでいるのである。
相場は「一に値頃、二に人気、三に日柄」。
秋も深まれば冬が来る。冬来たりなば春遠からじ。
若葉の頃の春の好きな人がるし、ものごとうら枯れていく晩秋を好む人もいる。味覚の秋、おでんの大根である。
冬は薩摩汁。酒粕で粕汁を好む人も多い。
うかうかしていると師走目前。久保田万太郎は「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」。
寒くなると、豆腐がなぜあんなにうまくなるのだろう。
前の晩のすき焼きの残りの鍋から、崩れかけの豆腐を拾い出したのもうまい。
朝の味噌汁の豆腐も、白葱など薄く斜めに切って、薄揚げなど入っていると、ホッとする。
いえばただそれだけのこと柳散る・万太郎。
寒くなれば、寒くなったで食べるものに楽しみも出てくる。
ひれ酒や世界のことは遠く置き・椿。