待つは仁なり

松が明けたが、今度は年度末か。早いと思うなかれ。何かとせわしない日々は、もう始まっている。

子の日しに都へ行ん友もがな 芭蕉。

十日は初子の日。

正月に入って、初めての子の日を指す。

古来、この日に野外に出て小松を引いたり、若菜を摘んだりして遊び「子の日の遊び」と呼ぶと本に書いてある。

今の世に、そんな風情のある光景はない。この事務所があるビルの前では工事をしている。

何の工事かは知らぬが、大きな音を立てて、日がな一日、地面を掘り返しては埋めている。

いつ終わるのだろう。

さて、あなたまかせの年の暮れを過ぎ、松も明け、国内商品は為替まかせの相場となった。

大きな流れは円安傾向だが、目先は円高に振れよう。85円台は見ておく必要がある。

9月末から上昇基調を維持してきたから、日柄の面でへとへと。かなりくたびれている。

くたびれた相場は余力があれば同じ場所で値を維持するが、力が無いと押してくる。

勢いのある相場は押し目も浅い。

押し目待ちに押し目無しともいうが、こおいう相場で待望の押しが入ったとすれば、それは意外に深い押しになる。

最初の押し目を買った投資家が投げた所で押しが終るのも相場。

ゴムは、三〇〇円を割れば、あっという下げで二八〇円台。そこで買い場になろう。

引き付けて、押し目を買える投資家は待つことができる。

待つは仁なり。

待ちすぎて買えなくなるのもまた相場。