悪くなるばかり

なにもかも悪くなるばかりだ。そおいう時期に来ている。困ったことばかりである。

木の葉散る歩きつめる 山頭火。

薬局で売っている、鼻水や喉の痛みを抑える風邪薬を飲んでいる。

会社のデスクの下には、電気で温かくなるヒーターを置き、宇都宮の清水院長先生のおっしゃるように体を温かくする。

食欲がない。ヘルパーさんが『食べたいものがあれば』と言うが、そんなものあるわけない。

さといも、大根、れんこん、厚揚げなどを入れた「さつま汁」なら、椀一杯のぐらいは食べられる。

あれは九州薩摩地方の戦時食である。

会社のお昼に、ガスコンロをテーブルに出して、湯豆腐をしてくれる。

昔は、火鉢の火の中ににんにくを埋めて、風邪を治した。

いまは、温かくして、とにかく寝ること。

山頭火は「けふもいちにち誰もこなかつたほうたる」。

けふもいちにち電話もかからなかった。

早く家に帰っても、いまはテレビの相撲があるからしのげる。

寒くなりましたね。

懐炉を背中に二ツ背負っていても、老人は寒さにこたえる。風邪薬はなかなか効いてこない。

もっと良い薬があるのかもしれないが、薬の浮気はよろしくない。

『きょうのお昼はなににしますか』と女の子。

なんでもよろしい。特に食べたいものはない。要するに老人は食欲がないということ。

アメリカでは株価が暴落。経済は悪くなるばかりだ。日本の景気もどんどん悪くなっている。

タクシーの運転手は『キタの新地はガラガラですぜ』。