暦の上ではもう春だ。といわれても、寒いものは寒い。身体も、お財布の中も、いまだ寒い。
立春といふ名ばかりの都心かな 廣太郎。
春だ、といわれても所詮は暦の上の話。
とはいえ、日に日に、少しずつ、お日様の出ている時間が長くなっているのが判る。
寒さもゆっくりと和らぎ始めている。ゆっくり春らしくなるのだろう。
売り方の春は、まだ遠い。売っては踏み、売っては踏みの玄人筋。
どうも玄人筋は経験則が染み付いている。
相場が高くなると、売りたがる。
高いか安いかは、安値覚えや、高値覚えの値頃感から来る。
今の商品相場も、安値から四割、五割も上がると、もう上げすぎだという経験則が働く。
日足を見ると、これはもう高所恐怖症。
しかし月足を見ると、まだ始まったばかりだ。
日本は、デフレ体質が身に染み付いて、値段が下がることが当たり前になった。
戦争を知らない子供達という唄が四十年前にはやったが、その世代はもう五十過ぎ。今は、値段
が上がることを知らない大人たち―か。
さて、ゴム相場、昨年八月底から二段上げを終え、現在保合い状態。
相場の上昇波動は三段上げが基本。
この保合い上放れは、あれよあれよと五十円幅を上げよう。
白金も月足で見れば、まだ二段上げの途中であろうか。
ガソリンも、日経平均もまた然り。
少なくとも、今の国内商品相場は、時間で見る相場である。
値段を見ないことだ。夏までは上がろうか。